大判例

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福岡高等裁判所 昭和27年(う)2736号 判決

弁護人の控訴趣意第二点(証拠書類の抄本提出の違法)について。

数名の者に覚せい剤を譲り渡した者の、検事の面前における供述調書であつて、被告人の犯罪に関係のある供述部分と、被告人以外の者に対する譲渡関係の事実を述べ従つて被告人の犯罪には何ら関係のない供述部分とが、調書の体裁上判別することができて裁判所においても相当と認め得るものについては、被告人の犯罪に関係のある供述部分のみに関する証拠調の請求を許し、その証拠調を経た上で、原本に代え、証拠調を経た部分の抄本を提出させることは、被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞もなく、訴訟経済の原則にもかなうゆえんであつて、それが、法令の上において是認されていることは、刑訴規則第一八九条第二項の趣旨に照らしても明らかである。

所論の供述調書抄本は、右の趣旨に従い供述調書原本のうち、被告人の覚せい剤譲り受けに関係のある部分について証拠調を経た上原本に代え、証拠調を経た部分の謄本として提出されたものと認められ、被告人に利益な部分をことさらに除外して作成提出された事実をうかがうべき何らの事情も記録上認められないのでこの点に関し原審の訴訟手続に所論のような違反があるものとは認められない。

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